8/27 背中(せなか)

自分がした苦労を人にまたは子供にさせたくない。
そんな優しい思いには落とし穴が潜んでいます。
私は『価値観の正当化』と呼んでいます。

例えば、一代で会社を興し人の何十倍も努力して、
ある時は泥水を舐めたり、夜星朝星
(よぼしあさぼし---朝は星が出ている時から仕事をし、
夜は星が出るまで仕事をすること)で頑張ってきて
事業を大成功させた人がいたとします。

その人には子供がいました。
自分がした苦労を人にまたは子供にさせたくないと思っていたけど、
気が付いてみれば『早く起きなさい』『早く寝なさい』
『ちゃんとしなさい』『挨拶しなさい』と
○○しなさいが口ぐせになりました。

その人には社員もたくさんいました。
『俺の(私の)時はもっとこうしていた』
『俺の(私の)時代はそんなことはなかった』
『俺が(私が)若い時はそんなことでへこたれなかった』
『なんでそんなことができないんだ!』が口ぐせでした。

『価値観の正当化』が加速し絶対的な関係を築いてしまいやすい
循環が始まります。
恋愛もそうです。自分の価値観を相手に押し付けると
『なぜ分かってくれないの』
『なぜ逢えないんだ』
『これだけしているのにその態度は何?』
というように色んなことを求めてしまい、
思い通りにならなかったら腹を立ててしまったり、
ますます悪化の一途をたどってしまいます。
相手のすべてを受け入れず自分の価値観を正当化しているからです。
相手を自分の思い通りにさせようとしてしまいます。
確かにこの世では親子、社長と社員、上司と部下
彼氏と彼女といういろんな関係でも、
魂レベルではそのようなものは関係ありません。

話がそれてしまいましたが
『価値観の正当化』は絶対的関係を築こうとしてしまいます。
当時人一倍の努力をし、
成功してみせるぞ!というその時代に抱いていた思いは
当時の自分自身を奮起させる条件、つまり
当時の自分を取り巻く時代や環境などが全て揃って
その時必要なエネルギーを生み出したと思います。

しかし当時と現在では情勢や環境も違います、
しかしその中で育ってきた子供や社員や部下、
自分以外の人は何の罪もありません。

『価値観の正当化』は自分の物差しで相手を測ることと似ています。
『価値観の正当化』をしていてそれに気付けば、
それは子育てのレベルアップ、またはより良い人間関係を築く
絶好のチャンス、自分自身が成長する
絶好のチャンスではないでしょうか。

悟らせることは時として必要かも知れません。
しかし、悟らせるということはまず自分が何かを
悟らなければ人は悟りません。

どんなことを押し付けるかよりも、
どんな背中を見せるかです。

価値観の正当化を一度破壊してみると
価値観は違って当然だということが前提になってきます。
気持ちが楽になります。

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by hal-min | 2008-08-27 15:17 | スピリチュアル


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